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FAQ(よくある質問)

 

Q.新株発行の決議と招集通知の関係は?

会社の支配権紛争で新株発行がおこなわれることがあります。しかし、株主総会の招集通知などが不十分でこれが無効になってしまうこともあります。

東京地裁令和元年5月20日判決の紹介です。

 

事案の概要

株主から、会社に対して起こした、新株発行無効訴訟です。

被告会社は、平成29年6月5日に18万株の新株発行をし、これが問題になりました。

 

被告は、取締役会設置会社。

株式の譲渡による取得について取締役会の承認を要する旨が定款に定められた非公開会社。

平成28年4月2日時点での株主構成は次のとおり。

Aさん:8万1548株

Bさん:7万9546株

Cさん:8万1546株

D社(Bが代表取締役):5万7360株。

 

同年12月27日、Cの死亡により、Cの株式を原告が相続。

発行済株式総数の約27%でした。

 

平成28年4月に作成された「臨時株主総会」と題する書面では、資金の必要性の記載がありました。

また、被告は、7月に定期株主総会を開き、増資予定の記録が残っていますが、総会招集通知は送られていませんでした。

被告が臨時株主総会を開催。

平成29年5月16日付け臨時株主総会議事録が作成されました。

そこで、新株発行決議。

募集株式数として、普通株式18万株、募集株式の払込金額は1株につき100円、募集株式と引換えにする金銭の払込期日は平成29年6月5日、増加する資本金額:1800万円とされ、募集株式を発行する決議が可決された旨記載。

被告会社は、この株主総会の開催に際し、株主に招集通知を送りませんでした。

 

 

被告取締役会は、同年5月16日に、本件新株発行に係る募集株式をAの長男に割り当てる決議。

長男は、1800万円を払い込みました。

原告は、この事実を知り、新株発行の無効訴訟を提起。

原告は、平成29年株主総会は、株主総会ではない取締役らによる会合を事後的に臨時株主総会であるとみなし、平成29年株主総会議事録を作成して株主総会らしき外観を整えたものにすぎず、事実として存在していないと主張しました。

 

裁判所の判断

請求を認容し、被告が平成29年6月5日になした普通株式18万株の新株発行を無効とするとしました。

 

本件新株発行に係る決議がされた平成29年株主総会について、被告は株主に対する事前の招集通知を発していないところ、その招集手続の暇疵の重大性に鑑みれば、平成29年株主総会決議は法的に不存在と評価されるというべきであるとしています。

被告は、株主総会直前に口頭で通知したとも主張していますが、口頭の開催通知をもって、平成29年株主総会に係る招集手続の瑕疵を軽度なものと評価することはできないとしています。

被告は、原告が平成29年株主総会決議に係る議案に対し反対の意思を表明していないことは、原告が同決議に賛成したものと評価すべきであり、そうであれば平成29年株主総会決議について全株主の同意が存在する旨主張するが、平成29年株主総会が全株主に対する事前の招集通知を欠いたものであることに照らせば、原告が平成29年株主総会の開催そのものに反対し、上記議案に対し何らの意思を表明しないことも十分に考えられるところであり、原告が上記議案に対し反対の意思を表明しなかったことをもって、原告が同議案に対し賛成の意思を表明したものということはできないから、被告の上記主張を採用することはできないとしています。

結論として、本件新株発行は、非公開会社がした会社法所定の株主総会による特別決議を欠いた新株発行であるところ、当該特別決議を欠く暇疵は本件新株発行の無効原因に当たると解することが相当であるとしました。

 

過去の株主総会で決まっていた内容との主張

被告は、本件新株発行が平成28年7月株主総会において決議されたと主張し、平成29年株主総会決議は平成28年7月株主総会決議を再度確認したものにすぎないとも主張していました。


しかし、会社法は、非公開会社が株主割当て以外の方法によって新たに譲渡制限株式を発行しようとするときは、既存株主の保護を図るため、①募集株式の数、②募集株式の払込金額、③金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額、④募集株式と引換えにする金銭の払込み又は上記③の財産の給付の期日又はその期間及び⑤増加する資本金及び資本準備金に関する事項を定め、この決定を株主総会の特別決議によらなければならない旨定めているところ(会社法199条1項及び2項、309条2項5号)、平成28年7月株主総会において上記④及び⑤につき決議されたことは窺えないと認定しました。

同株主総会における決議は本件新株発行の募集事項につき法の所定する必要な機関の決議を欠いているというべきであるとし、本件新株発行が平成28年7月株主総会によって決議されたものということはできないとして、被告の主張を排斥しています。

 

 

招集通知の暇疵

会社法830条における決議の不存在には、決議がそもそも存在しない場合以外に、何らかの決議があっても、法的に総会決議と評価できない場合も含みます。

このなかで、総会招集通知がなかったとして争われるケースは多いです。

今回もそのような争い方です。

本件では、原告は平成29年株主総会の直前に口頭で開催通告を受けていたこと、そこには株主全員が出席していたという事情がありましたが、それでも無効と判断したものです。

 

本件では、新株発行という会社の支配権に大きな影響を与える決議が含まれていたことから、口頭での通知だけでは、総会に向けた準備の機会が保障されなかったと評価できます。

本件のように、すべての株主が出席しても、株主総会の開催に同意したと評価されないこともありえます。

 

全株主が親族だったりすると、疎かになりがちですが、会社の支配権紛争で問題になることも多い事項ですので、しっかりと手続きをしておきましょう。

 

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