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FAQ(よくある質問)

 

Q.アイドルと交際したら損害賠償請求される?

 

アイドル活動をしている女性と会ったり、交際したとして、プロダクション等の事務所から損害賠償請求をされるケースも少なくありません。しかし、行き過ぎた請求は、恐喝罪として刑事事件にもなります。

そのような問題となった名古屋地方裁判所平成29年7月31日判決の紹介です。

2名の男性被害者が共同原告となったケースです。


事案の概要

原告らは、アイドルとして活動する女性と私的に会ったり、交際していました。

被告は、アイドルグループのプロモーション事業を行っていました。その女性らも所属していました。

原告らは、因縁をつけられ、被告から金銭を喝取されたと主張。

原告らは、慰謝料等を含めて損害賠償請求をしました。

 

金銭喝取の態様1

被告は、平成28年1月8日、原告Aと女性が私的に連絡を取り合っていたことに関し、原告Aに対し、けじめとして300万円を払うよう要求し、金を支払わなければ原告A及びその家族に危害を加える旨を述べて脅迫。

原告Aは、女性のファンであったところ、携帯電話の連絡先を交換し、それ以降、私的に連絡を取り合うようになっていました。その後、被告から呼出しを受け、業務妨害及び所属タレントに連絡先を聞くなどの迷惑行為をしない旨の誓約書を作成させられました。また、その後、原告Aは、被告から原告Aの住所、連絡先及び勤務先を伝えるよう指示され、やむなくこれを伝えていました。しかしながら、原告Aは、上記誓約書作成後も、複数回、直接女性と会うなどして、私的な連絡を取り合っていました。

原告Aは、平成28年1月8日、被告から再度呼出しを受け、車でビルの4階に連れて行かれた上、被告から、携帯電話の画面上に表示された文面を紙に書き写すように指示されました。

その内容は、原告Aが被告から300万円を借りたという同日付けの借用書でした。


その後、原告Aは、被告から女性と私的に会っていないか追及され、当初は否定していたものの、被告が、携帯電話で「どうだ、吐いたか。」などと話して別の場所で誰かに女性の尋問をさせているかのような素振りをしたり、原告Aを尾行した証拠写真があるなどと述べたりしたことから、原告Aは、認めなければ何をされるか分からないと怖くなり、女性と会っていたことを白状しました。

すると、被告は、原告Aに対し、

「ケジメとしてこの借用書の内容通り払ってもらうからな。」

「金を作る方法は教える。」

「250万でもいいから払え。」

「払わなくてお前が逃げても家族や会社に迷惑がかかるかもしれんからな。」

「家にいられなくしてやる。」

「金を払うのが嫌なら船もあるし、死亡保険で俺のところに金が入るしな。」などと申し向け、反社会的勢力とのつながりをにおわせながら、原告A及びその家族に危害を加える旨を告げて金銭を要求。

その夜、原告Aは被告から再度呼び出され、同年3月1日付けの借用書を作成させられました。

また、原告Aは、被告の指示により、被告に対して自身の運転免許証のコピーを渡しました。

 

原告Aは、平成28年1月9日にも、被告から呼出しを受けました。

被告は、原告Aに対し、消費者金融に対してカードローンの申込みに行くように指示し、原告Aは、被告から脅迫を受けて畏怖していたことからこれに逆らえず、被告が指示するとおり、複数の消費者金融カードローンの基本契約に申し込み、合計250万円の借入可能枠を設定。


被告は、同月12日、再度原告Aを呼び出し、さらに別のカードローンに申し込ませて50万円の借入可能枠を設定させ、前記250万円の借入可能枠も用いて、300万円を借り入れるように指示。


原告Aは、被告の指示に従わないと何をされるか分からないと考え、同日、消費者金融から合計300万円を借り入れ、これを被告に交付。

 

原告Aは、本件当時実家に居住し、アルバイトとして稼働しており、手取り給与は多くて月額14万円程度でした。

 

 

金銭喝取の態様2

もう1名の原告の金銭交付状態も厳しいものでした。

 

原告Bは、女性のファンであったところ、個人的に連絡を取り合うようになり、交際するようになりました。


そうしたところ、原告Bは、被告から呼出しを受けました。

被告は、原告Bに対し、

「ビジネスの邪魔をして、何してくれるんだ。」

などと凄んだ上、

「今すぐ連絡先を消せば許してやる。」などと申し向け、原告Bはやむなく携帯電話内の連絡先を削除。

 

しかし、原告Bは、その数日後から再び女性と連絡を取るようになりました。

女性がライブ前ミーティングを欠席したことから、被告は、女性が原告Bとカラオケにでも行っているのではないかと考えました。

そこで、被告は、同日夕方、ライブ会場に来ていた原告Bを連れ出し、

「いくつだと思っているんだ。」

「こっちの仕事の邪魔になるようなことをするな。」

「このことを会社にも連絡させてもらうぞ。」などと申し向け、18歳に満たない青少年と交際していることを原告Bの勤務先に密告して退職を余儀なくさせる旨の脅迫をしました。


また、被告は、原告Bと女性の交際を黙認する代わりに交際方法についてルールを定めるとともに、原告Bに対して女性がアイドルを続けることができなかったときには50万円を支払うよう申し向け、原告Bに対して、携帯電話の画面上に表示された文面を書き写させて、原告Bが被告から50万円を借りた旨記載した借用書を作成させました。


さらに、被告は、連絡を取り合っていることにより10万円の損害又は費用が発生したと因縁をつけて、これを支払うように求めました。

原告Bは、被告による上記脅迫等により畏怖していたため、遅くとも平成28年3月末までに、被告に対して3回にわけて合計10万円を支払いました。

そして、被告は、原告Bに対して勤務先とその電話番号を送信するよう要求し、原告Bはやむなく自身の勤務先とその電話番号を送信。

 

平成28年4月7日、被告は、原告Bと女性の距離が近いとの指摘が他のアイドルからあったことから、原告Bに対して、

「次ウチの子からまた突っ込まれたら責任取らすぞ。わかったか」

「あんま調子にのってんなよ」

「次はないぞ」

「本気で次は許さんぞ」などと強い調子でメッセージを送信。

平成28年4月16日、女性は、アイドル活動を無断で休業し、最終的に事務所を辞めることとなりました。

そこで、被告は、前記恐喝により被告に畏怖の念を抱いていた原告Bに対して、上記50万円に、Fが無断欠勤したことによる損害賠償20万円を加えた合計70万円を支払うよう要求。


被告は、同月26日、原告Bを呼び出し、消費者金融から70万円を借りてくるように指示。

原告Bは、被告に対して畏怖の念を抱いていたため、被告の指示どおり、消費者金融2社から合計70万円を借り入れた上、70万円用意することができた旨を連絡して被告のもとを赴き、被告に70万円を交付。

 

刑事告訴

原告らは、本件について、被告を刑事告訴しました。

その結果、 被告は、原告Aに対する恐喝罪等により懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を受けました。

民事裁判当初は、内容を争っていた被告は、その後、一部弁済。金銭交付を認めるに至っています。

 

そこで、裁判の争点は、被告の金銭喝取による原告らの損害、特に慰謝料額となりました。

 

 

恐喝行為と慰謝料

原告Aは、被告による恐喝行為によって被告に対して300万円を交付したと認められ、これは損害と認定。

さらに、慰謝料について検討。

原告Aから喝取された金額300万円は、月額給与が多くて14万円程度の原告Aにとっては極めて高額であるところ、原告Aは、当初、被告による弁済がされなかったこともあり、約1年もの間、被告の指示に基づき行った消費者金融からの借入れの返済のために、毎月収入額の半分以上の支出を余儀なくされ、その利息として45万円余の負担を余儀なくされたものであって、被告による恐喝が原告Aの生活に与えた経済的影響は大きいしました。


また、原告Aに対する脅迫の態様についてみても、複数回にわたり原告Aを呼び出した上で、借用書の作成を強要し、反社会的勢力とのかかわりをうかがわせる言動を行い、既に勤務先及び連絡先を聞き出していた原告A及びその家族の生命・身体に害を加える文言を用いた脅迫を行ったものであって、その脅迫態様も悪質と指摘。


これに対し、被告は、原告Aが被告との約束を破って私的にEと会っていたことに照らせば、慰謝料額は減額されるべきであると主張していました。しかしながら、このことは原告Aに対する恐喝に至った動機として特段酌むべきものとはいえない上、原告Aが被害に遭うことについて落ち度があったことを基礎づけるものでもないから、慰謝料を減額すべき事情に当たるとはいえないとしました。


以上の事情、とりわけ、原告Aにおいて被告の指示に基づく消費者金融からの借入れにより、45万円余の利息負担を余儀なくされたこと等の本件に顕れた一切の事情を考慮すると、原告Aが被った精神的苦痛を慰謝するに足りる金額は、100万円と認めることが相当としました。

さらに、原告Aに対する不法行為と相当因果関係のある損害として認められる弁護士費用としては、20万円をもって相当と認めています。

 

この損害賠償金については一部弁済されているところ、これらの弁済金はまず既に発生した遅延損害金に充当され、その余が元本に充当されることになるとしました。

 

 

原告Bについても、交付額以外に慰謝料を認定。
原告Bから喝取された金額80万円は、原告Aが喝取された300万円よりは低額であるものの、月額給与が20万円前後の原告Bにとっては高額である上、原告Bは、被告による一部弁済を受けるまでの約10か月間、消費者金融に対する返済を余儀なくされ、その利息として5万円余の負担を強いられたものであるから、被告による恐喝が原告Bの生活に与えた影響は小さくはないとしています。


また、原告Bに対する脅迫の態様についてみても、原告Bから勤務先等を聞き出した上で、18歳未満の青少年と交際していることを勤務先に伝える等と、原告Bの仕事に影響を生じさせかねない行動を行う旨の脅迫などを行い、借用書の作成を強要して借入金の返済という外観を作出した上で、複数回にわたり因縁をつけて金銭を喝取したものであって、その脅迫態様の悪質さも軽視できないとしています。

これらの点から、慰謝料40万円、弁護士費用5万円と認定しています。

 

刑事事件の判決があったことから、恐喝についての立証はそれほど大変でなくなったといえる事案です。それだけ刑事告訴が有効な一手だったことがわかります。

恐喝行為のような請求を受ける際には、借りていないのに、このような借用書を作成させるケース、消費者金融から借りるよう指示してくるケースが多いです。早めのタイミングで相談するようにしましょう。

 

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