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FAQ(よくある質問)

 

Q.任意整理の過怠約款の読み方は?

任意整理は、借金の整理方法、債務整理と呼ばれるなかの一つの方法です。

消費者金融、クレジット会社、銀行の借金を1件1件の業者と交渉して、利息がかからない形で合意して分割払いにしてもらう方法です。

債権者によって3~5年程度の分割払いで組み直すことができます。

この任意整理では、合意ができた場合には、和解書、和解契約書、合意書などの書類をつくり、弁護士と債権者が押印します。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.8.7

過怠約款とは?

そのような合意書の中には、必ず、過怠約款という条項があります。

分割払いの合意をするものの、支払いを怠った場合には、一括請求され、そこからは遅延損害金も発生するという条項です。

分割払いで待ってはくれるものの、約束通り支払いができないと一括請求されてしまうのです。

分割払いで待ってくれることを、期限の利益と呼びます。

支払いを怠り、一括請求されることを、期限の利益の喪失と呼びます。

期限の利益を喪失すると、一括請求され、遅延損害金まで請求されることになるのです。

この期限の利益喪失が、どのくらい支払いを怠ると発生してしまうのかが、過怠約款、懈怠約款の条項です。

過怠約款ということもありますし、懈怠約款(けたい)ということもあります。

呼び方よりも内容が大事です。

 

過怠約款の内容

この過怠約款、懈怠約款については、合意書ごとに記載が違います。

消費者金融やクレジット会社でも応じてもらえる状況が違うため、法律事務所によっても、債権者によっても表現方法が変わってきます。

極端な話、個人間での訴訟などで厳しい条項をつくりたいときは、1度でも怠ったら期限の利益を喪失する、という記載をすることもあります。

文字通り、分割払いを1回でも怠ると、一括請求できる内容です。

とても厳しいです。

任意整理での合意書の場合、「2回以上の返済が滞ったとき」のような記載がされていることも多いでしょう。

この場合、2回、約束どおりに返済できなかった場合には、一括請求されることになります。

「連続して2回遅延をしたとき」のような条項であれば、2連続で支払いを怠ったときに一括請求されることになります。この規定だと、2ヶ月に一度の支払いで一括請求を避けられることになりますが、あまり使われていないでしょう。

「2回分以上怠ったとき」

「2回以上の返済が滞り、その合計が○○円を超えたとき」

というように、延滞の累計額が一定額を超えたときという記載も多いです。

回数よりも、延滞額の累計がいくらかが問題になるので、一括請求を避けるために、1回分には満たない金額を支払うことも出てくる条項です。

 

 

 

期限の利益を喪失したら?

法的には期限の利益を喪失してしまうと、一括請求されることになります。

ただ、債権者によっては、交渉によって、以前の内容での分割払いに戻してくれ、再度、期限の利益をくれること(分割払いに応じてくれること)もあります。

任意整理後、期限の利益を喪失してしまったとして、一括請求された場合には、弁護士等に相談してみるのも有効な選択肢になります。

また、そもそも家計状況が悪化してしまい、任意整理での支払いが厳しくなっている場合には、個人再生など別の方法がとれないか検討してみると良いでしょう。

 

 

 

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