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FAQ(よくある質問)

 

Q.意思疎通が不可能な相手に請求できる?

慰謝料請求、貸金請求、損害賠償請求等を考えているものの、相手が意思疎通が不可能な状態ということもあります。

事故や認知症等の病気により意思疎通が不能になってしまったという状態です。

裁判を起こすにしても、相手方に能力がない場合、訴訟を起こしても、有効な裁判が成立しません。

有効に訴訟行為をする能力を訴訟能力といいますが、意思疎通が不能な状態ではこの訴訟能力がないでしょう。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.8.7

成年後見人の選任

このような場合、家族等に成年後見人選任を求めることもあります。

意思疎通が不可能な人の財産を管理するため、法定代理人として成年後見人が選任されれば、有効な裁判を起こすことができます。

成年後見人は、本人の代理人として、財産等の管理をするため、裁判への対応もすることになるでしょう。

もし、訴訟中で、意思疎通ができなくなったような場合でも訴訟が中断し、選任された成年後見人が訴訟を受け継ぎます。

 

 

特別代理人

成年後見人選任については、家族が抵抗することもあります。そのような手続きに反対される場合、特別代理人の選任を申立て、選任された特別代理人を相手にして、訴訟を進めることになるでしょう。

これは、申し立てる側が一定額の予納金を支払い、裁判所に代理人を選んでもらう制度です。

民事訴訟法35条に「法定代理人がない場合又は法定代理人が代理権を行うことができない場合において、未成年者又は成年被後見人に対し訴訟行為をしようとする者は、遅滞のため損害を受けるおそれがあることを疎明して、受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任を申し立てることができる」とあり、この規定に基づき申立をします。

 

裁判で勝訴判決をもらった後に、強制執行まで考えるのであれば、そこまで特別代理人に対応してもらう必要があるでしょう。

裁判を起こすタイミングで、相手が意思疎通不能だとわかっている場合には、裁判と同時に、この特別代理人の選任申立をすると良いでしょう。

 

 

特別代理人の報酬は?

特別代理人を選ぶかどうか、その報酬額は裁判官の判断によります。

報酬額については、あらかじめ申立人が予納することになります。

裁判内容にもよりますが、10~20万円程度であることが多いでしょう。

 

今後の高齢化社会では、このような事態が増えることが予想されます。

高齢者を相手とする裁判では、このような点を押さえておく必要があるでしょう。

 

 

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