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FAQ(よくある質問)

 

Q.不貞相手からの求償を受けたら?

不貞慰謝料の請求の相談の中で、不貞相手から求償権の行使による請求を受けるという相談もあります。

不貞行為をした場合、不貞をされた配偶者に対しては、不貞をした配偶者と不貞相手が共同不法行為による慰謝料支払い義務を負うことになります。

片方が慰謝料の支払いをした場合、その負担割合に応じて、他方に求償できることになります。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.8.7

負担割合について

求償権の負担割合については、不貞関係に至る経緯や、その関係が続いていた間の積極性等で変わってきます。

基本的には、共同不法行為ですので、50%対50%というところからスタートし、不貞に至る際の誘いの積極性や、不貞相手が当初、婚姻関係を把握していたかどうか、不貞関係が続いていた場合に、どちらが積極的であったか等の事情で変動させることになります。

一般論としては、不貞をした配偶者の方が高くなりがち、女性より男性のほうが高くなりがちという傾向はあります。

 

 

求償権に対する支払い額

たとえば、不貞相手が慰謝料200万円を支払った、負担割合が50%なのであれば、求償権による請求を受けた不貞配偶者は100万円を不貞相手に支払う必要があります。

負担割合が60%ならば、120万円を支払う必要があるという計算になります。

 

 

求償権の放棄条項

このような求償権の請求があると、不貞相手に慰謝料を請求した配偶者としては、婚姻関係が続いており家計が同一の場合、自分の配偶者に請求されて、回収した慰謝料から自分たちの家計から一部を返すような形になります。

このような請求を快く思わない場合、不貞相手との間で合意や和解をする際に、書面に、求償権を放棄するような条項を入れることが多いです。

ただ、求償権の放棄について、三者間の和解でないのに効力があるのか疑問視されることもあります。

このような争いを避けるため、求償権を行使しない旨の誓約条項と、違約した場合の違約金支払い条項などで対応することもあります。

婚姻関係が破綻し、離婚するなど家計が別になるのであれば、慰謝料は回収しやすい方から回収することで足りるのですが、同一家計が続く場合には、求償権をどうするかも考えて合意する必要があります。

 

両方が慰謝料を支払っている場合は?

不貞した配偶者と、不貞相手の双方が慰謝料を支払っていることが判明することもあります。

お互いが求償しようとして慰謝料支払い事実が発覚する場合です。

この場合、2人の慰謝料支払い額を合算しても、全体の不貞行為に対する慰謝料を上回っていない場合には、負担割合のみが問題いなるでしょう。

たとえば、全体の慰謝料が300万円、不貞相手が支払った慰謝料が120万円、不貞配偶者が180万円を支払っているのであれば、負担割合がどうかによって、それぞれが求償できるのか変わってくることになるでしょう。

不貞相手の負担割合が40%なのであれば、ちょうど自分たちの負担割合の慰謝料を負担していることになります。

 

このような求償の話は、共同不法行為の規定等が参考になりますので、そちらから考えていくことが多いでしょう。

 

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