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FAQ(よくある質問)

 

Q.公正証書で決めた養育費を減額できる?

養育費は、離婚した夫婦間で定める子にかかる費用です。

子を養育するにはお金がかかり、離婚したとしても親子間の扶養義務はなくならないため、一定の収入がある場合、両親双方の収入や子の年齢などから、一定の金額を監護者に対して支払わなければなりません。

養育費の取り決めには、両親間での合意(口約束を含む)、公正証書、家庭裁判所の調停や審判などの方法があります。

このうち、公正証書については、各地域にある公証役場で作成する書類です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.8.7

公正証書による養育費の支払

公正証書も、養育費が未払いになった場合に、強制執行をすることを認める条項がある場合には、家庭裁判所で作った調停調書などと同じように、相手の財産を差し押さえる強い力を持つものです。

公正証書で養育費の取り決めをする場合には、通常、このような強制執行認諾条項が入れられます。

 

公正証書は、当事者間での合意ができている場合に、その合意内容を書面化するものです。

養育費に限らず、借金の支払合意などの場合にも使われます。

合意ができていることが前提なので、夫婦間で争いがある場合には、公証役場でその争いをまとめてくれるようなことはありません。

争いがある場合には、家庭裁判所の調停などを使うのが一般的です。

公正証書で取り決めをしたい場合には、相手と合意できた段階で、事前に公証役場の公証人と公正証書の条項について打ち合わせをします。

内容を詰めたうえで、日程調整をして、公証役場に行き、公証人に書類を作成してもらい、読み聞かせなどがあります。印鑑証明書を持っていき、実印による押印を求められるのが通常です。

 

個人間で取り決めをして公証役場と相談することもあれば、弁護士が代理人になって交渉し、話がまとまった段階で、その内容を公正証書にすることもあります。

 

 

公正証書の書き直し

一度、作成した公正証書の内容を変更するために、再度、公正証書を作ることもあります。

ただ、公正証書は、お互いの合意がなければ作れません。

 

元配偶者から公正証書の書き直しを求められたとしても、公正証書の作成に応じる義務はないので、拒否できます。

この場合は、公正証書の書き直し自体はできません。

 

養育費の金額変更

養育費については、一度合意したとしても、事情が変更した場合には、金額を変更できるとされています。

養育費の支払期間は長いので、その間に事情が変わることはあるでしょう。

よくあるのが、収入の変動、リストラ、転職などによって収入が減ったから養育費を下げてほしい、相手が収入を得るようになったから養育費を下げてほしいというような変更。

また、再婚、出産により扶養者が増えたため養育費を減額してほしいという申立も多いです。

さらには、養子縁組なども変更の理由としてよく出てきます。

これらの事情で養育費を減額できるかどうかは、その事情の程度や前回の合意からの期間などで判断されています。

 

養育費の金額変更手続

養育費の金額を変更するにも、合意が必要です。

相手が応じてくれない場合には、公正証書も変更できませんので、手続としては、変更の調停を家庭裁判所に起こすことになります。

家庭裁判所の調停では公正証書の作成はされません。

家庭裁判所で合意ができた場合には調停成立となり、調停調書が作成されます。

調停に欠席など、話し合いがまとまらなかった場合には、調停不成立となり、養育費の変更はされません。

その後、調停から審判に移ると、裁判官が養育費の妥当な金額を判断します。

一度、決めた養育費の変更には抵抗を示す人も多く、養育費変更の審判例は多くあります。

 

 

 

 

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