FAQ
FAQ(よくある質問)
Q.亡くなった親宛に督促状が来たら?
相続に関して、亡くなった親あてに、督促状や請求書が届いたという相談も多いです。
別居していたりして、郵便物をチェックしたら、そのような書類が来て驚くことになります。
亡くなった人への督促状は?
亡くなった親宛に、債権回収会社等から求償残元金を一括で払うよう求める督促状などが届くことがあります。
このような場合に、チェックすべき点はいくつかあります。
・その債務はそもそも有効に成立したものか?
・消滅時効の主張はできるか?
・相続放棄はできるか?
何もしなければ、借金などの債務も相続することになります。
債務は有効に成立した?
まず、最初に督促状の債務がそもそも有効に成立しているかの検討が必要です。
亡くなった人宛に、架空請求がされることもありえます。
督促状の文言が法的におかしい場合には、架空請求の疑いがあります。
債務について全く聞いておらず、文言がおかしいかもしれないという場合には、専門家に見てもらうと良いでしょう。
一応、故人が契約したものと認められた場合でも、悪質商法や詐欺的な商法の契約だということもあります。
そのような場合には、契約内容を争えないか検討する余地はあります。
このような商法は、高齢者をターゲットとするので、故人が一人暮らしだったような場合には、被害を受けている可能性はあります。
形式的に契約が有効そうに見えても、内容を争えるかどうか検討すると良いでしょう。
もちろん、契約当事者が亡くなっているため、通常の悪質商法や詐欺的な商法よりも証明のハードルは上がります。ただ、契約内容が明らかにおかしい場合には争えることもあります。
消滅時効の主張は?
貸金やクレジット債権の場合、期限の利益を喪失してから5年がすぎると消滅時効の主張が可能です。
消滅時効は援用をしないと、督促が延々と続きます。
勝手に消滅時効が成立して督促が止まるというものではありません。
消滅時効の5年間がすぎる前に、業者が裁判を起こしていたり、故人が一部弁済、債務承認をしていると、時効はリセットされます。
このような点をチェックする必要があるのですが、督促状を見ただけでは通常は分かりません。
期限の利益喪失日や、債権回収会社の場合、債権の取得日が書かれていることもあり、この場合は、そこから5年が過ぎている場合には、5年経過という点はほぼ認められます。あとは、消滅時効をリセットするような行為がないかどうかでしょう。
このような日付が書かれていない場合には、CICなどの信用情報機関に照会をかけることで、債権の発生日や延滞日がわかることもあります。
次に、時効をリセットするような行為があるかどうかですが、これは書面から分かることは少ないです。裁判所の事件番号等が書かれていれば、裁判を起こしていることになります。
それ以外の事情はわかりにくいですし、裁判を起こしていても記載がないこともあります。
業者に連絡することで、そのような行為があったかどうか教えてもらえることもありますが、債権者によっては、消滅時効の援用をされたら、初めて中断などのリセットの事情を確認するというところもあり、事前にはわからないことも多いです。
亡くなる2から3年前にだいぶ痴呆もあって、支払いを認めたり支払いをした可能性もあるような場合には、とりあえず消滅時効の援用をしてみるという方法をとることもあります。
相続放棄は?
消滅時効の主張が認められない場合には、被相続人には債務が残っていたということになります。
債務も相続の対象になりますので、これを相続したくないという場合には、相続放棄をすることが選択肢になります。
相続放棄は、家庭裁判所に対して行うものです。
それぞれの相続人がする必要があります。
似たような手続きとして、限定承認があります。こちらは、相続放棄をしていない相続人が全員でおこなうことになります。
相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産も放棄するのに対して、限定承認は、相続はするものの、プラスの財産の範囲内でのみ責任を負う制度です。プラスなのかマイナスなのかがわからないときに使われることが多い制度です。
相続放棄や限定承認は、相続が開始されたことを知ってから3ヶ月以内に裁判所に申述する必要があります。
この期間ですが、死亡から3ヶ月が過ぎていても、相続財産の認識をしていなかった場合で、後から多額の請求を受けたような場合には、そこから3ヶ月以内に申述すれば良いとする裁判例もあります。
債権者がどこまで争うかによもりますが、実務上は、相続財産の名義変更や処分をしていない場合、家庭裁判所段階では相続放棄が広く認められ、債権回収会社などは争ってこないことが多いです。
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