FAQ
FAQ(よくある質問)
Q.住宅ローン銀行に別債務がある場合の個人再生は?
個人再生手続きで、住宅を維持しながら他の借金を減らしたいという場合、住宅ローンを組んだ銀行に、他にカードローンがないかどうかをチェックする必要があります。
別債務がある場合には、個別に検討しなければならない事項があります。
住宅ローン銀行に別の債務がある場合は?
個人再生を検討中の人から、住宅ローンの借入先の銀行にも別の債務もあるのですが住宅は残せますかという相談があります。
住宅資金条項を利用した個人再生の場合、一般的には住宅ローンは今まで通り支払いつつ他の債務の返済を止めます。
受任通知により返済口座が凍結されると思いますが、先に住宅資金条項利用予定を銀行に伝えると、新規に返済用口座を開設をしてくれたり、入金と住宅ローン支払だけの活動を認めるなどし、住宅ローンのみ返済することになります。
銀行や支店によっては、口座凍結が解除されるまでの数ヶ月、住宅ローン支払分を窓口に持ってくるよう指示してくることもあります。
他の借入れは、元からある口座残高と相殺し、代位弁済となる可能性が高いです。
抵当権の確認
自宅を残したいとなると、この個人再生の住宅ローン条項が使えるかどうかをチェックする必要があります。
住宅ローン条項つきの個人再生の利用条件として、住宅に、住宅ローン以外の抵当権がついていないこと、という要件があります。
住宅ローン以外に、抵当権がついていると使えないのです。
個人再生では、住宅ローン条項を使うことで、住宅ローンだけを払い続けることができ、競売を避ける事ができます。
しかし、他のローンは返済を止めなければなりません。
そのようなときに、住宅に、住宅ローン以外の抵当権がついてしまっていると、そちらの支払いを止めることになり、担保権を行使されて競売になります。そのため、そのような抵当権がないことが条件です。
他社からの借入で抵当権、根抵当権がついている場合にはもちろん個人再生は使えません。
また、住宅ローンの銀行からの借入による抵当権であっても、住宅ローンと別のローンの場合には、原則として個人再生は使えません。
銀行で住宅ローンを組む際に、カードローン契約をし、そちらで抵当権が設定されている場合には、そちらの抵当権が残っていると個人再生は使えません。
そのため、まず、住宅の登記簿謄本、全部事項証明書を法務局で取得し、抵当権の設定状況を確認する必要があるのです。
諸費用ローンの抵当権
抵当権設定状況を登記簿で確認すると、住宅ローン以外に、諸費用ローンの抵当権がついていることもあります。
これも、本来は、住宅ローンそのものではないので、理論的には、個人再生が使えないことになります。
しかし、諸費用ローンは、住宅購入の際の、登記費用、仲介手数料等、住宅購入費用と密接に関わっているため、この使途を明らかにするなどして、住宅ローンと一体化している等と主張し、抵当権が残ったままで、支払を継続することが認められる運用がされています。
ローンの使途について大きい金額は、領収書などがあると良いです。
カードローンについても、日々の利用がなく、住宅ローンを組んだ当時に、諸費用ローンと同様の使い方をして、その後、返済だけが続いているような場合には、理論的には、諸費用ローンの運用と同様の対応をしてもらえる可能性もないわけではないでしょう。
ただ、多くの方が、カードローンとして組めると、その後も日常生活費の支出や他社の返済資金などに使ってしまうため、このような主張ができそうな事案に出会ったことはありません。
相殺や口座凍結に向けての対応
抵当権の設定状況が問題なく、住宅ローン条項を使った個人再生が利用できそうだという場合で、その銀行にカードローンなど別の債務がある場合、預金口座のケアが必要です。
弁護士からの受任通知を送った際、カードローンを止めることになりますので、その時点で預金口座の残高はカードローンと相殺されます。
残高があるとカードローンの返済に強制的にあてられてしまうのです。
また、口座自体も凍結されるのが通常です。
少なくとも出金を自由にすることはできなくなります。
このような点から、対応しておくべき点が2点あります。
まず、預金口座の残高があるなら出金しておきます。
次に、口座凍結されても良いように、入出金がないようにします。
その口座に入る給料、児童手当等があれば別銀行の口座に変更し、光熱費等の引き落としがあれば、これも別口座に変更するなどの対応が必要です。
個人再生の法律相談を受けてから対応しても良いですが、受任通知発送までにはこのような続きは済ましておいた方が良いです。
なお、各銀行のシステムにもよりますが、口座凍結中は引き出すことはできませんが、入金はできることが多いです。
この場合、住宅ローンの引き落としだけはするので、口座に入金するよう指示されることになります。
口座凍結後の住宅ローンの支払い方法については銀行や支店によっても違いますので、受任通知発送後、銀行と弁護士のやりとりを待ったうえで対応する必要があります。
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